「中乗りさん」に学ぶ上手な年の重ね方

 

先日から急に朝冷え込みました。

気温の変化に対応するのが難しいですね。

 

 

よろず相談所

 

ご近所といえども

周囲の方々もお忙しく

顔を合わせる機会が少なくなりました。

 

 

夫の両親を介護している期間が長いので、

年配の女性のお話を聞く機会が

よくあります。

 

 

先日も自分の思いが通じなかったらしく、

(何も話さずに相手に察してほしかった)

夕方暗くなってから訪ねてこられました。

 

 

話を伺うと、

どうも自分の思い通りにいかなかった様子。

 

自分の気持ちをを受け止めて

ほしいのでしょう。

 

こうした愚痴をきいてあげることが

ここ数年ふえてきました。

 

 

 

 

木曽の中乗りさん

 

「川流し」「筏(いかだ)流し」
ご存知ですか?

 

山から切り出した木材を

筏に組んで河川に流して運ぶことです。

 

ダムができて水量が減り、

今は見ることができなくなりました。

 

今では和歌山県北山村で観光で行われる

「筏下り」だけだそうです。

 

木曽節のなかに

「木曽の中乗りさん」
歌われています。

 

筏の真ん中にいる人が「中乗りさん」

船頭が「へのりさん」

一番後ろが「艫(とも)のりさん」

というそうです。

 

一番権限があるのは、中乗りさん。

その次はへのりさんです。

 

筏の上に乗って、川を下っていく。

とにかく目の前に集中して、

前に進んでいくことが求められます。

 

 

経験の多い中乗りさん

ここ一番のときに

注意をうながす役割です。

 

艫乗りさんは後ろにいて

船頭の姿から仕事を学びます。

 

 

 

 

育てて見守る期間が必要

 

以前、まだまだ引退には早い時期に

子どもさんに経営を任せる方が

いらっしゃいました。

 

聞かれれば答えるけれど、

自分からは意見を言わないという姿勢。

 

「喉のここまで

言いたいことを押さえている」

とおっしゃられていました。

 

かなりのストレスだったと思います。

 

 

ちょうど九州新幹線の開業の年に
経営をバトンタッチ

 

それから、3年後には

60歳代でお亡くなりになりました。

 

会長の見守る期間があったからこそ、

事業承継がうまくいったのでしょう。

 

今ではこの会社は

ご兄弟で経営を切り盛りされています。

 

 

中乗りさんなるのは
むずかしい

 

認めたくないことですが、

日々できないことが増えていくことが

「老いる」ということでしょう。

 

 

そこで、自分の思ったとおりに

他人や家族が動いてくれるとは

限りません。

 

「自分の意見が100パーセント正しい」

そんな口調でお話されることが

多いのですが、

 

「待つ」とか「見守る」姿勢が、老いると

より必要な気がしています。

 

「これをして!」と言ったら、

「いますぐ」でないとダメだと

他人に叱られたことがあります。

 

 

だんだん気が短くなるのが

常です。

 

ゆったり構えているようで、

きちんと物事をみている。

 

「自分が・・・」という気持ちを

抑えるのは容易ではないかもしれません。

 

実は「中乗りさん」という言葉を

数日前に知りました。

 

 

上手な年の重ね方を

「中乗りさん」という

筏師の役割に感じました。

 

 


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